どこかグリム童話に似ているのですが、これはこれでとても味があるお話です。
先ずは『トム・チット・トット』。
パイを自分の勘違いで5個食べてしまった娘が、どうしてお妃様になれるのか不思議ですが、毎日5かせづつ糸をつむぐならば、お妃にしたいという王様の発想が理解できません。
おまけに、お妃には11か月は好き放題にさせておきながら、12か月目には、毎日5かせの糸を紡がなければ、王様は娘の首をちょん切ってしまうというのです。
あまり幸せそうに見えない結婚ではあります。
『ルンペルシュチルセン』のように、小鬼の登場と、名前あて。
話の展開をつなぐのは、言葉のリズム。
声に出して楽しさを感じられる絵本です。
スズキコージさんの絵が、楽しさを盛り上げてくれました。
おまけのようにしてついている『ちっこいちっこい』。
読み聞かせには最高なお話です。
「ちっこいちっこい」のリズムが開けている側にも浸透しています。
みんなで、「ちっこいちっこい〜」と、決してちっこくない声で掛け合いが始まると、なんだか大騒ぎになってしまいました。
この『ちっこいちっこい』だけで、大型本にすると良いと思いました。