夏休みに過ごしたおばさんの家の近くの庭で見つけたのは「みどりの船」。
少年少女の夏に対する思いと、「みどりの船」の船主のトリディーガさんと、水夫の追い求める懐古。
ノスタルジックであり、幻想的な作品です。
自然の中に作られた船は、トリディーガさんのご主人への思いでしょうか。
操舵室に飾られた写真はご主人。
いろいろに藤蔵が膨らみます。
「みどりの船」は夏の日に、4人の心の中で様々な後悔や冒険をします。
そして、夏が過ぎ、思い出とともに年が過ぎます。
トリディーガさんの「みどりの船」への思いは薄らいだのか、昇華されたのか、船は草木に覆われ自然へと同化していきます。
アリスと僕には忘れられない思い出。
映画を観た後のように余韻の残る作品です。
読む人それぞれがイメージを拡げられる作品です。