すばらしい贈り物が置かれた時にだけ響くというクリスマスの鐘。
町のお金持ちさん達は、我こそはと競い合って高価な贈り物を用意しますが、
どんなものをささげても鐘はなりません。
一方、ペドロは倒れていた女の人を助けるために、教会を見に行くことをあきらめます。
ずっと前から楽しみにしていたのに。
幼い弟も、心細い気持ちをこらえてひとり教会に向かいます。
この兄弟の優しさと勇気、そして思いやりが何よりもすばらしい贈り物だったのです。
贈り物を選ぶとき、一番大事なことは相手をおもう『心』だと思うのです。
ただ自分が鐘をならしたいがために選ぶ品物。
そこに相手を思いやる気持ちはありません。
一番高価なものだから。なかなか手に入らない貴重な珍しい品物だから。
そんな基準で選んだとしても、それはただの見栄や自己満足に過ぎないのです。
ブランド物に弱い現代人は、贈る側も贈られる側も、そんな大切なことを忘れてしまっているのかもしれないですね。
クリスマスというと子供たちの一番の楽しみはやはりプレゼントなのでしょうが、
本当に価値のある贈り物とはどんな物なのか、ということを贈られる側の子供たちにも考えてもらえるといいなと思います。
お話がとてもシンプルなので、小さなお子さんでもわかりやすいでしょう。
絵もあたたかくてかわいらしく、色彩もきれいでとても素敵です。
外国の絵本かと思いましたが、日本の方が描かれているのですね。
クリスマス前の読み聞かせで使いましたが、
こんなに素敵な本に出会えてとてもよかったです。