グリム童話の毒気をバーバラ・クーニーの絵が素敵にアレンジ。
マイルドでロマンチックなお話になっています。
欲深い王様と贅沢三昧のお妃様が魔法使いに頼ってやっと授かった子どもはロバ。
原因は王様の欲だったのだから、人のせいではありません。
なのに、やっと生まれた子どもがロバだからと見向きもしない親。
王子がどんなに努力しても感じるのは疎外感。
なんか描き方によっては生々しいお話ではあります。
そんな中で王子は、心に響く音楽を習得していきます。
一人旅にでたロバの王子は、自分の奏でる曲に感動した心優しい王様とお姫様に迎え入れられます。
王子は家族のように扱われます。
自分を愛してくれるお姫様の言葉で、王子はロバから人間に変身することができます。
王子の気品とお姫様の心の気高さが、物語をとてもロマンチックに盛り上げてくれました。
こんな描き方もあるのだなという感じ。
なごめるグリム童話です。