『しらゆきひめ』はあまりにも有名な童話です。
それに、ディズニー映画のイメージが強すぎるので、いわさきさんの『しらゆきひめ』には少し違和感を覚えつつ手に取りました。
本当のお母さんのすがすがしさと、継母の醜さ、白雪姫の可憐さがとても素敵です。
ちひろさんの描く登場人物は、無色の使い方といい、筆のタッチといい、不思議な感じがします。
なぜって、白雪姫は総天然色ではっきりくっきりと思い描けるほど、自分の中でイメージが出来上がっているからなんですけど。
ちひろワールドだと思いました。
『しらゆきひめ』はあまりに有名な童話なのですが、いくつかの『しらゆきひめ』を読んでみると、グリム童話の原型が、作家によって様々にアレンジされていて、雰囲気を異にしていることを感じました。
この絵本は立原えりかワールド。
きわめてメルヘンタッチだと思います。
でも、白雪姫のお話って、心象風景、やり取りのディテールがもっと詳細に描かれと、とても奥深いお話になると思いました。