1955年、米国アラバマ州都モンゴメリーで、公営バスの運転手の命令に背いて白人に席を譲るのを拒んだアフリカ系アメリカ人・ローザ・パークスさん。
彼女は、人種分離法違反のかどで逮捕され、罰金刑を宣告されましたた。
このことに端を発し、公共交通機関における人種差別に抗議して行なわれたのが、モンゴメリー・バス・ボイコット事件です。
当時貧しい黒人にとってバスは必須の交通機関で、利用者の75パーセント以上を占めていました。
このボイコットはバス路線を運営するモンゴメリー市に大きな経済的打撃を与えました。
連邦最高裁は罰金刑を取り消し、バス車内の人種分離は違憲であると認定されました。
事件性を帯びたもの、闇に葬り去られたもの、人種差別に苦しんだ人々は、長い歴史の中で、数え切れないことでしょう。
ローザが、「NO!」と言ったこの日、黒人の公民権獲得への第一歩となったのです。
ボイコットを指導したマーティン・ルーサー・キングは、この勝利を期に全米各地で公民権運動を展開、ワシントン大行進など数多くの抗議行動で、公民権法を成立させました。
その人が持って生まれたもの(本人の努力では如何ともしがたいこと)を侮蔑・嘲笑・抹殺しようとすることは、人間として他の動物にも劣る行為です。
いじめ・差別・抑圧・全て、他を貶めることによって、頼りない自分の存在を守ろうとする、愚かで弱い人間の恥ずかしい行為です。
人間としてのプライドを掛け、国ぐるみの権威に屈服させられる事に我慢がならなかったローザの行為は、世界中の人々の目を開かせてくれたのだと思います。