1957年コールデコット賞受賞作。
絵を担当したのは、『のら犬ウィリー』のシーモントさん。
日本では、1976年に初版本が。
都市化が進むにつれ、こどもと自然との生活が失われていくのをなげき、作者ユードリー自身が幼い日に経験した木との素晴らしい生活を、こどもたちにも味わって欲しいとのおもいで作られた作品だそうです。
春夏秋冬、木と生活する人間の姿が描かれています。
たくさんの木、一本の木。
人間はこれまで、そしてこれからも仲良し。
こんな木をどうしたら、今の私たちの生活に増やしていけるかを提言する終盤が素敵です。
モノクロとカラーのページが交互に配されていて、絵から気持ちが最初に入った気がしました。
が、巻末に、シーモンとさんが、「こんなにはっきり作品の意図を素直に表している絵本の文は珍しい。そのままついていっただけで、この絵を描くことができました。」と述べていて、再び文もじっくり読みながら堪能しました。
ユードリーさんが、この本を介して、次代のこどもたちへ託した“木を愛する心”への深い思いが良く伝わってきます。
「えだにすわって、じっと考える事ができるんだ〜。やってみようかな。」と息子がポツリ。