なかなか暖かくならなくて、桜の花が咲きませんでしたが、
ようやくここにきて、一気に桜の花が満開になりました。
あいにく、今日は雨ですが・・・
さくら子が、自分の名前の由来に関心を持ったのは、
2年生の夏でした。
桜の木が出てくる話なのに・・・夏?
不思議に思って読み進めていきました。
8月の末、さくら子は、名前をもらった山の桜の木に会いに行きました。
驚きました。
もともと栗の木でした。
大きな台風がやってきて、頭が折られ、
そこからさくらの芽が出てきて大きくなった『みごも栗』という木でした。
ですから、赤ちゃんがほしい人がこの栗の木にあやかりに来るというのです。
なんて、不思議で神秘的なことでしょう。
生命の素晴らしさを感じました。
そして、6年生になったさくら子は、
もっと深い事情を知ることになります。
涙が止まりませんでした。
栗の木の「みごも栗」と、かあさんの「みごも栗」。
いろんな深い意味がこもっていました。
ここに登場する母と娘の関係は、なんて素敵なんでしょう。
子どもの成長を願う母親の愛情が、痛いほど胸に突き刺さりました。
その母を気遣う娘。涙です。
読み終わった後、こんな私でも自分の娘が愛おしくなりました。
こういうお話には、こみねゆらさんの絵がぴったりきますね。
私の好きな絵本リストの中に入りました。
成長していく思春期のさくら子の気持ちも、丁寧に描かれているので、
私としては、小学校高学年のこどもから大人の方にお勧めします。