まず、絵本の表紙を子どもたちと眺めました。
背景に白い何かがぶらさがっている、何だろう・・・牛?
白いエプロン姿で4人の方々がにっこりしている。
おはなしの舞台は、大阪にある小さな屠場です。
そこで、今日最後の屠蓄が行われます。
「とじょう?」「とちく?」
子どもたちにとって初めて耳にする言葉ですが、
おはなしを読み進めていくと、言葉の意味や
牛が生きものから食べものへと変わっていく様子も
文章と写真で感じ取っていきます。
牛の体は「鳴き声以外すてるところがない」といわれるほど、
さまざまなことに生かされています。
「太鼓にも使われているの!」
子どもたちにとってお祭りなどで身近な存在の太鼓も、
牛のいのちをいただいて作られていることを知り、
とても驚いていました。
「人は、いのちをいただくことで生かされている。
牛の肉が人のからだになる。
生きるということはいのちをつなぐということ。
だから、牛に感謝し、誇りをもってこの仕事をしてきたんだ。」
北出昭さんの言葉から、
わたしは人間としてもっとも尊いことを教わったように感じました。
大人数での読み聞かせは、まだ行ったことがありませんが、
尊敬すべき人、素晴らしい職業人として
いつかこの本を紹介したいと思います。