〈下の子〉が生まれて焼きもちをかく〈上の子〉を描いた作品はわりとたくさんありますが、この作品は(上の子)の子どもらしい感覚がよく伝わってきました。
それまで、なにをするのも家の中で一番だったのはずなのに、突然自分より“チヤホヤ”される存在が現れたら、小さな子どもたちにとって嫌なもの以外の何ものでもないと思います。
けれども〈きょうだ〉ですから、時間がたてば、嫌なだけの存在にでないことも自然に分かってきます。
一番いいなぁと、思ったシーンはお守を任されたらしいお父さんが、うまくいかなくて、妹が泣いちゃったとき、お兄ちゃんがボールであやしてあげるところ!
初めは、そんなつもりはなかったかもしれませんが、この曲芸の練習のおかげで、〈きょうだい〉の絆は生まれたのかもしれません。
お兄ちゃんのその気持ちの動きが、とってもよくわかりました。
絵もはっきりしていて見やすいです。
弟や妹が生まれた「お兄ちゃんお姉ちゃん」たちにぜひ、お薦めです。