童謡「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」で知られる詩人まど・みちおさんは、明治42年(1909年)に現在の山口県周南市で生まれました。
亡くなったのが、平成25年(2013年)、104歳の見事な人生でした。
まどさんが存命中の2011年に周南市で「こどもの詩 周南賞」の募集があり、作詞部門優秀賞を受賞したのが、林木林さんの「みどりのほし」という詩でした。
それに谷川賢作さんが曲をつけられ、楽曲として歌われています。
この絵本は、その詩がもとになって2020年7月にできあがりました。
絵本の文も、詩とは少し違っています。(この絵本のおしまいに楽譜付きでもとの詩も載っています)
絵を描いたのは、この時の審査員の一人でもあった長谷川義史さん。
世界が大きく広がりました。
「みどりのほし」という詩には、この星はみどりでいっぱいで、みどりというのは野菜や果実のことで、その頭つまりへたのところは星の形をしている様子が描かれていますが、絵本ではさらの子供たちの手が星のようになって、それがつながって大きな星座をつくるところまで広がっています。
これは、まどさんの世界観に合わせたものだと思います。
まどさんに「どんな小さなものでも みつめていると 宇宙につながっている」という言葉があります。
この言葉そのものがこの絵本の大きなテーマです。
2011年の詩がコロナの時代に大きな命を与えられて絵本になったのではないでしょうか。