相撲は大きな力士の迫力ある取り組みも面白いが、小さい力士の技の見せ合いも楽しい。
だが、自分で相撲をとることはないが、自分のこしらえた力士を土俵にのせることはできる。
紙相撲だ。
子供の頃に自分で大小さまざまな紙力士をこしらえ、それに四股名(しこな)をつけ、対戦して遊んだことがある。
実況中継のアナウンサーも解説の親方も全部自分だけ。
行司までして、それでも力士の対戦が「とんとん」指で弾ける振動しだいというのもいい。
この絵本では野菜たちが力士になっている。
少ししこなで紹介すると、じゃが岳(じゃがいも)、はくさい丸(はくさい)、ぴーま岩(ピーマン)、かぼ春日(かぼちゃ)、といったぐあい。
そして、畑場所も千秋楽。
ここで描かれるのは、たまね錦(たまねぎ)とにんじ若(にんじん)、きゅう竜(きゅうり)となすび里(なす)そして結びの一番、横綱同士の対戦となる、すい海(すいか)とだいこの嵐(だいこん)の三番。
なかなか見応えのある取り組みだ。
なかでも、横綱同士の対戦が面白い。
すいかの横綱はでーんと大型力士。一方、だいこんの横綱は色白の二枚目力士。
さあ、見合って見合って。
勝負の行方は、お楽しみ。
この絵本では野菜を力士に見立てているが、子供たちならなんだって力士にできるだろう。
自動車、果物、動物、お菓子、本だって力士になりそう。
さしづめ、横綱は百科事典か。