心優しいお芝居が大好きなおばあちゃんオフェリアさんが、誰のものでもない影たちと影芝居の一座を作り、世界中を旅するお話。
前半は劇場が閉じられ仕事をなくしたり、近所の心無い人達からの嫌がらせでアパートを追われたりと散々な目に遭ってしまうオフェリアさん
ですが、身寄りのない影たちを受け入れる優しさが身を救い、天職を
手に入れるのです。
エンデの優しい光と影のコントラストが際立つ挿絵がいいのです。
お芝居小屋のオフェリアさんは、まさに心安らかに争い事もなく生きてきた、平凡なおばあさんの表情そのもの。
そこから一転、家を追われ海辺で1人うなだれる背中に滲む孤独感、
悲壮感には、胸をしめつけられます。
しかし、影の恩返しにより一座の座長となり、キャリアウーマンよろしく喜々と車を運転するその横顔はおばあちゃんの底力を見せつけられる
よう。
最後にオフェリアさんは「光の一座」の座長さんになります。
根底に『情けは人の為ならず』そんな言葉が横たわっているのでは…