表紙の絵のテイストに惹かれて読んでみました。
ちょっと日本の作品離れした感があります。
そして、表紙を捲ると誰しもが驚くことでしょう。
中のページが丸いのです。
読み進めると捲りやすいので、新しい形なのかと思ったらさにあらず。
丁度真中のページが仕掛けになっていて、その伏線でした。
これは、1度手にして見て貰わないと分からないと思いますが、その発想はかなりの優れもの。
一見の価値はある作品です。
物語の主人公は、おおかみのループッチ。
森の動物達は恐れをなして隠れてしまうのですが、ちょうちょだけは例外。
さらに、そのちょうちょが光り輝いているので、ループッチは魔法と勘違いして、その魔法を教えろと凄みます。
でも、ちょうちょは、怯むことなく魔法ではないと答えて、帰って行くのですが、このちょうちょが光り輝くのは、その清らかで澄んだ心を表現している気がしてなりません。
ループッチは、光り輝く秘密をあばこうと夜のキャベツ畑に忍び込むのですが、それから大騒動に発展するのです。
意地悪い心の象徴=おおかみ、澄み切った心の象徴=ちょうちょの対比が根底にあって、最後におおかみが改心するという展開は、絵本の王道的なもの。
分かり易くて、安心して読み聞かせ出来ると思います。
絵のテイストも我家の好みなので、他の作品も読みたくなりました。