「ハナグマの森のものがたり」の第1弾で、コスタリカのジャングルに住んでいるハナグマの子のツーティが、ハキリアリを追いかけているうちに迷子になってしまう物語です。オマキザルに食べられそうになったと思ったら(サルがハナグマを食べるなんて意外でした)、そのサルがオウギワシに食べられたりして、自然の厳しさがよく伝わってきます。松岡さんの絵は、どの本でもそうですが、主人公以外にもさまざまな動物がページのあちこちに描かれています。見過ごしてしまえばそれまでですが、この本では巻末にそのような動物のイラストと紹介がついているので、読み終わってから子供と一緒にもう1度見直すという楽しみがあります。ジャングル特有の珍しい動物ばかりです。これで興味がわいたら、岩崎書店の『ジャングル』(松岡達英)がお薦めです(我が家では、たまたま最初に『ジャングル』を持っていましたが)。余談ですが、我が家の娘は迷子になることが多いので「親と離れると怖いことになるんだよ」と、この本を読むときに言い聞かせています。