今までオールズバーグの作品は、モノトーンのものばかり見ていましたが、この本はカラーです。そして色がとてもきれいです。
絵本としてはかなり長いお話ですが、ファンタジーの中にも、現代の環境破壊への警告が込められていて、読み応えがあります。
主人公のウォルターが夢を見て目を開けると、ベッドごと違う世界(実は未来)に飛んでいるということが何度も繰り返されます。未来の世界が見開き2ページに描かれていて、その絵がとても美しく幻想的です。その世界の状況事態は決して美しいものではありませんが。
何度も自分の理想とするのとは違った未来の世界に行ったウォルターが、最後に行き着いた未来の世界は・・・。
結局一番理想的な未来とは何なのでしょう。読んだ人一人一人が、自分に問いかけるラストになっています。
6年生の娘は、割と楽しく読んでいました。彼女なりに考えるものがあったようです。低学年には、まだ難しいでしょう。
未来の世界を描いたページには文字がなく、次のページにその説明的な長い文章がくるので、教室での読み聞かせには、工夫が必要だと思います。