文/シャーロット・ゾロトウ、絵/モーリスセンダックというビッグネームによる1962年の作品。
コールデコット賞オナー賞を受賞しています。
物語は、
「うさぎさん、てつだって ほしいの。」
と女の子がうさぎに言うシーンから始まります。
やたらと頭部の大きい女の子と、頭だけがうさぎで体は人間という感じのうさぎさんの絵が、目を引きます。
その関係はかなり親しいもので、うさぎさんは、快くOKします。
その手伝いとは、おかあさんの誕生日プレゼントを選ぶこと。
二人の会話も洒落ています。
「でも、なにが いいかしら?」
「そうだね、なにが いいかなあ?」
「おかあさん あかが すきだわ。」
「あか?あかなんて あげられないさ。」
「それじゃ、なにか あかいもの だったら?」
「ああ、あかいもの だったら いいよね。」
「あかいものって なにが あるかしら?」
こんな感じで、色をメインにしてプレゼントを決めていくのですが、課程の会話やその会話のシーンが、とても良い雰囲気です。
提案するのは、うさぎさんなのですが、突拍子もない物の提案から始まるので、かなり楽しめるものだと思います。
最後まで気になったのは、うさぎさんの存在。
紳士的なうさぎではあるけれど、こんな姿をしたうさぎにはお目にかかったことがありません。
正直、最初は、あまりにもグロテスクではないか?と思ったくらいです。
見慣れると、何か人を象徴的に表現したのかと思えるのですが、好き嫌いがはっきり分かれるキャラクターかも知れません。
センダックの世界に誘われてしまう不思議な作品だと思います。