「ピーター・ラビットの絵本」というシリーズの中の一冊。同シリーズはお話の長いものから、短いものまでさまざまありますが、本書はどちらかといえば短い方の作品です。絵の方は、ピーター・ラビットと聞いて思い浮かべる最も標準的なタッチです。
この本は「ずるいねこのおはなし」に続いて娘が手にしたピーター・ラビット・シリーズです。二歳四ヶ月を前にした頃でした。ジェレミー・フィッシャーという名のカエルが主人公になっています。極端に短いという話ではありませんので、最初は適当に省略しながら読み聞かせました。本来、カエルのぬいぐるみが苦手であったり、本物のカエルが飛び跳ねるのを見て「こわい」と逃げ出す娘が何故この本に夢中になり、よく読み聞かせをリクエストしたのか謎です。服を着ていたり、釣りをしたりしますが、カエルの絵そのものはかなりリアルな感じで描かれています。怖くないんでしょうか。
ストーリーの方は可もなく、不可もなくといった感じで、特段心をときめかすような展開が用意されているわけではありません。また、何か教育的な示唆が含まれているようでもありません。登場する動物たちと舞台設定がどうもそのへんを制約してしまっているような印象を受けました。他にも、翻訳の問題からか、日本語に多少不自然と感じる部分も散見されました。
ピーター・ラビット・ファンなら所有する価値があるのかも知れませんが、同シリーズ中には他によりお奨めのお話があると思います。親の側からの読み聞かせ本の選択肢としては、ちょっと優先順位が下がるかもしれません。