ハッチョウトンボの取材を通して、湿地や水辺、生き物のくらし、環境について書いた写真絵本。トンボや水辺の昆虫・生きものの写真が満載。
2005年刊行。隊長2センチ未満の小さいトンボが生きている様子を、撮影者(筆者)はどんな気持ちで見ていたのだろうか。
私はとても丁寧に、トンボを尊敬していたような気がしてならない。
普通の大きさのトンボと比べて、ずいぶん小さくて、危険も多く、生育地が減ってきたり、環境の変化で生き残るのが大変だ。しかし、このトンボを大切にしなければならないと思う人たちが協力して、保護地が作られた。人間の影響力の大きさを改めて知った。
生き物が豊かに暮らせる場所があちこちにあることは、本当に豊かだと思う。虫が生きられる環境と、虫もいきられない環境と、どっちがいいだろうか?
思い機材をもってハッチョウトンボの居る湿地に通って、丁寧に撮影を続けた筆者と、本書を出版してくれた人たちがいることで、私は「ハッチョウトンボ」という存在を知った。
そして、いろんなことを考えた。
人の活動は、人を良くして、環境も良くしていくものであって欲しいと思った。
大人が見ても素敵な絵本です。