私の家には現在50冊以上の井上洋介さんの絵本があります。それらの絵本を読み返しながらしているのは、同じモチーフを見つけること。
吹く場面が出てくるのは『ブクブクブー』と『プーコン』、かえるに乗っているのは『たわし』と『ブクブクブー』、もちろんまるっきり同じというわけではないのですが、好きなものは繰り返し描かれるという井上さんらしく、ああこの絵本とこの絵本どこか似通っているところはないかな?と探しながら見つけた時の喜びはまとひとしおです。
これって、町歩きに似ているかもしれません。人が住んでいる場所というのはどこかしら似たところがあり、やはりどこかしら違う。
そんなことを思いながら眺めると、私にとってとても難解だった井上洋介ワールドがとても楽しいものに感じられてくるのです。
井上さんは雨の日もお好きなのかしら?そういえば『あめのひはかさして』なんて絵本もあったなあと。
雨の日、そこは水に包まれた海のようなものかもしれないと、この絵本を見ていると思えてしまいます。
井上さんの発想は計り知れないなあと思いつつ、なんだかおもしろくて、私のこちこちに固まった感覚も解きほぐしてくれそうです。