美しい日本語で語られる、やさしい物語がオムニバスで入っている。きれいな言葉が安心感を誘う。
別にドラマを絶賛しているわけでないが、村岡花子さんの紡ぐおはなしは、ターシャやベスコフやオルファースのようなお布団のなかで子供に聞かせたい良質な物語。
これらの絵本に出遭うたび、日本にもこの類の童話絵本はないかなと思っていたけど、あったんだなぁ。
いくつか絵本になるといいな。
時々プロットがなさそうな動機のわからないおはなしもあり、子供に語っただろう説教くさいはなしもあり、打って変わって美しいおはなしもあり、なかなかバラエティに富んでいる。
一夜毎にひとつ、お布団で寝転がりながら読み聞かせるとよい夢を見られそう。
「ミミズの女王」はいちばんシュールだったかな。なんでミミズでこのはなし……ものすっごく印象的。ぜひご一読を。