竈猫を発見した宮澤賢治はとても偉い。
そもそも黒猫が事務長で、白・虎・三毛という順番がステキに絶妙です。
この、名作にして傑作のお話は他の賢治作品と同じようにたくさん絵本になっていますが、常に最新作が最高作品。
新しい才能が心血を注いでもなお、まだいくらでも次の作家による挑戦を待ち受けているのが、宮澤賢治のお話です。
今回、ウルウル涙目のかま猫が子どもたちにも人気ですが、そのページにあるように「猫なんていうものは、賢いようでばかなもの」といった、さめた目線をちゃんと伝えることが読み語りには大切だと、気づかされます。
宮澤賢治を読むことの、とてつもない幸せをこの絵本からも感じます。