この作品は、たまたま中川学さんの挿絵を検索していて出会いました。
原作は泉鏡花です。
絵本になったのは2012年で、中川さんの挿絵も素晴らしく、現代にも十分通じる「妖」の作品になっています。
泉鏡花は現代史にも登場する有名な作家なので、知っている方も多いと思いますが、いわゆる“妖”モノの作品が多く、そのルーツは江戸時代に民衆に愛された「黄表紙」にあるといわれています。
解説と監修をしている東雅夫さんは、今をときめく「化け物(妖)系」を多く手掛けていらっしゃる方なので、
原作のイメージを崩さず、今の人たちにも十分楽しめる形でこの作品を魅せてくれています。
1つの小説なので、短編とはいえ、テキストは長めですが、高学年以上のお子さんたちでしたら、十分読める内容なので、ぜひ、手に取って読んでみてほしい1冊です。