読後、なんて言葉に力のある作品なんだろうと、奥付を見るとやはり詩人さんでした。
一人の女性の人生に寄り添った1本のろうそく。
電燈のない時代に生まれた女性の誕生を喜び、大切な夜に灯された女性の母親手作りのろうそく。
こころにやさしいあかりがともりますようにという願いが込められ作られたろうそく。
時に、ほほえみ、なぐさめ、あたため、もっぱら聞き役に徹し、一緒に悩んだり迷ったりしながら寄り添ってくれたろうそく。
この後 女性の新しい家族を照らし、大切な時を照らし、ろうそくは小さくなって行き、夜でも明かりがこうこうと得られる時代になると、ろうそくは、・・・・・・。
月や海を照らす灯台の灯りとわが身を比べ、ちっぽけだといつも力不足を悔やむろうそくに、そうじゃなかったんだとおばあさんになった女性が語り掛けるこころの いちばん おくまで そっと とどく″あかりという言葉にグッと来ました。
だいじに おもってくれる ひとがいた うまれてきて ほんとうに よかった″というろうそくの最後の言葉も忘れられないものになりました。
このろうそくのように、我が子に寄り添えるのが親としての理想かもしれません。