韓国の代表的児童雑誌「オリニ(子供)」誌の1949年5月号に発表されたヒョン・ドンヨムの寓話に、イ・オクベが絵を描いた2003年の作品です。
登場するのは、牛と蚊と蝿。
毎日遊んで暮らしながら、黙々と働く牛の血を吸って生きる蚊と蝿ですが、牛のことを愚鈍だと馬鹿にしています。
ずにのった蚊は、いわずもがなの結果になるのですが、物語だけを読むとまるでイソップ童話のような錯覚を覚えてしまいました。
自分の身の程を知るという教訓がひしひしと伝わってくる作品です。
労働階級への風刺も込められているようですが、その精緻な絵を見るだけでも、価値ある絵本だと思います。