女の子のおばあちゃんは沖縄出身で、神奈川県川崎市で、女の子のお母さんと一緒に沖縄料理店をしています。
おばあちゃんが作る料理はどれも美味しいので、お客さんは一度食べたら忘れられません。
ただ不思議なことに、おばあちゃんは「ムーチー」という料理は作れませんし、自分の誕生日を祝おうとしません。
女の子は不思議に思うけれど、理由を教えてもらえません。
そんなある日、おばあちゃんは、認知症になりました。
かかってしまったら悲しいはずの認知症。
けれど認知症になったことによって、おばあちゃんは、忘れられなかった悲しい出来事を忘れることができました。
「わすれたって、いいんだよ」
「なんくるないさー」
女の子やお母さんの、おばあちゃんへの思いやり。
それがあふれ出るような、優しい優しい絵本です。