ぱっと絵本を開いてみて、なんて、夏らしい風景だろう、と思いました。
突き抜けるような、濃い青の空、くっきりと白い雲。草原のシーンでは、渡っていく、心地よい風が見えるようです。
この絵本はオコジョのタッチィのシリーズです。
冬・春ときて、夏のお話。
今回、タッチィは、毛を刈られたがらない、羊のメメールと出会います。
二匹は、友達になりました。
さて、メメールが、毛を刈られたくない理由とは?
そして、二匹の間に、小さな亀裂が生じたとき、タッチィはどう行動するのでしょう?
ひたむきなタッチィの姿に、つい応援したくなってしまいます。
悪気はなかったのに、わざとじゃないのに、やってしまった過ち。
そして、それに正面から立ち向かうタッチィ。
子供たちにも、感じる物があるのではないでしょうか。
大人から見ると、「至極まっとうなお話」なので、ついすっと読み過ごしてしまいがちなお話かもしれません。
でも、子供たちは、けっしてそうだとは思わないでしょう。
メメールのいらだち、タッチィの悲しみ。
それはきっと、子供たちに、ストレートに響くのではないでしょうか。