とても丁寧に描かれた絵本です。そして、植物、植物のある暮らし、植物を大切にする人への愛が伝わってきます。細かく描き込まれているので、じっくりとみて楽しみ、まるで自分もこの庭作りに参加しているような気分になりました。
だれか一人で庭仕事をするのではなく、家族みんなで、そして友達や親戚、ご近所さんも巻き込んで(というか、みんなが寄ってくるのですね)、手入れし、育て、楽しんでいるところが良いなと思いました。何かを育てることによって、子どもたちも貴重な経験をしながら豊かに育つことができますね。
収穫したものは美味しく頂き、木の実や葉っぱでおもちゃを作ったり、やってくる鳥を観察したりとたくさん楽しんだ一方、支柱をたてたり、水やり、草取り、肥料作りに、次の季節の準備・・・と庭仕事はなかなかたいへん。でもこうやって、季節の流れの中で暮らし、季節を感じることが、どれだけ豊かなことか・・と思わずにはいられません。
この絵本を読むと庭のある暮らしに憧れます。そして、多くの人がまず思うのは、「ガーデニングをしてみたい、でも我が家はこんなに広い庭がないから無理よね・・」ってこと。でもこの絵本の作者は、そんなことはお見通しですね!隣の敷地のマンションに住む男の子、ルイを登場させています。ルイは、マンションのベランダで鉢やプランターを使って、花やハーブを育てているのです。ルイとは「植物」という共通の興味で、すぐに仲良くなれましたよ。ルイからの「びっくりするプレゼント」。なんて楽しいアイデア!
めんどくさがりの私ですが、豊かで楽しい暮らしを目指して、少しずつ、土のある暮らし、花のある暮らしを始めたくなりました。多くの人にそんなことを思わせる、子どもから大人まで楽しめるステキな絵本です♪