あのちびのミイがムーミン屋敷に同居すことになった。夜中に大騒ぎをするので、被害者のムーミンは連日の寝不足。とうとう家をでていこうとすると、ミイは「自分の家を作っちゃえばいいのよ」と…スゴイ提案。自分の勝手な行動の数々は全く気にせず、無責任発言。
それを真に受けて、本当に家を建て始めるムーミンもスゴイ。意外と気が合うのかも。
その後のめちゃくちゃな展開は、是非とも本書を見て欲しい。人間だったらいくつくらいの年齢かわからないが、おそらく未成年のような気がする少年(仮)ムーミンが、わけもわからず、情熱だけで材料を集め、家を建てる。もちろん大工の経験などない。アドバイザーは、例によってミイ。何ができあがるのやら、はじめから不安な展開。もう、こんな人生はギャグ。
更にマイペースで能天気なフローレンが絡まる。ムーミン谷の住人は、普通の感覚の人がいない。みんな独自路線で後先考えず驀進する。この破壊力、このパワー。だれでも極めて行動的で積極的。
なんだか、ちまちまと生活の事を考えて、スーパーの食品を買うのに数十円の値段の差を死ぬほど大袈裟に考えている自分がバカに思える。どうやったって、なるようにしかならないなら、この連中のようにもっと人生を楽しんでみてはどうだろうか?
子どもが読んでも楽しめるけど、もちろん年齢問わず楽しめる作品だと思う。強烈なギャグとユーモア、皮肉が含まれて、毒にも薬にもなりそうな絵本だ。