文字の無い絵本ですが、ぐいぐいと惹き込まれる展開です。
そう、それだからこそ、深々と降り続く雪の音と、
聖夜の静けさを感じることができるのです。
粗末な小屋で目を覚ましたおばあさんはどうやら貧しい暮らしのようです。
食べ物もお金も無いので、雪の中、苦労してわずかな金を手に入れますが、
あっという間にバイクの引ったくりに奪われて・・・。
その後、教会を荒らしている引ったくりに再会して・・・。
教会に飾られた聖人達の人形を元通りにして、
献金箱はそのままにして帰ったおばあさんは
帰途、空腹で雪の中で倒れます。
その時起こった奇跡・・・。
笠地蔵のおはなしのような展開ですが、
聖人達の行動に個性も垣間見えます。
マリア様は幼子を抱いて、ずっと、おばあさんを見守っていますね。
原題は『A Small Miracle』。
作者の想いが伝わってきます。