ペドロという小さな男の子が主人公。ペドロは駅でお姉ちゃんが目を離したすきに、一人で大好きな機関車キト号に乗り込んでしまいます。さて、そこから、ペドロの3泊4日の旅のはじまり、はじまり〜。客観的には、迷子なのですけどね(笑)。
作者に、こんな小さな子を一人で放り出してしまうの?と言いたくなってしまいますが、実は読んでいるうちに、こんなことも許せてしまうほど、のどかな町と人の雰囲気なのです。土色一色で描かれた素朴な絵が、おはなしに合っています。
エクアドルの町と素朴な人々が醸し出す空気感が とてもよく感じられる絵本です。このお話は作者のベーメルマンスが南米のエクアドルを旅したことがきっけかで生まれたものだとか。ベーメルマンスは、エクアドルが大好きになったんだそうです。その「好き」という感じがにじみ出ているような気がします。
そして、「ダダダダダ」しか しゃべれない小さな子にも、お手伝いとおぼしき仕事(干しているトウモロコシをニワトリから守る)があることにびっくり。お父さんも、お母さんも お姉ちゃんも家族全員、仕事をしています。
最初はあまり思わなかったのですが、繰り返し見ているうちに、ペドロの笑顔にぞっこんになってしまいました。
ベーメルマンスは、もちろん あのマドレーヌちゃんの作者。ペドロと、マドレーヌちゃん、似てます^^