作者紹介を見ると、この方は中国で児童文学のリーダー的存在だそうです。
お話は大切な家族で、子どもたちの保護者である《ばあの死》をあつかっています。
中国は広いので、国内でもいろいろな葬式のパターンがあると思いますが、この地域では、一晩家族がそばについてお弔いをするようです。
この絵本を読んで、すごいなぁと思ったのは、亡くなったばあが孫たちにわらべ歌をいっぱい教えてくれた。というくだりです。
こういうところはやっぱり同じアジアの民族性なのでしょうか。
日本でも一昔前まではおばあちゃんやおじいちゃんが子どもたちにわらべ歌や子守歌、昔話などを聞かせてくれたものです。
(わたしのおばあちゃんは、あまり歌はうたってくれた記憶はありませんが、昔話は聞きました。)
和歌山静子さんの絵が、とっても物語に合っていました。特にごつごつした畑仕事をして働いているなと、一目でわかるばあの雰囲気は素敵でした。
「死」を扱う作品は子どもたちに薦めるとき、とても難しいですが、
この絵本には怖いもの・悲しいものだけでない何か、残された遺族たちの「送る気持ち」も大切に描かれています。
感情が多感な子さんや怖がりのお子さんに、あまり小さいうちにお薦めするのはどうかと思いますが、
小学校2,3年生くらいからなら逆に読んであげたいなぁと、思いました。