作者は小児科担当のお医者様です。
病気を持つ子どもも、親も大変だけれど、そのきょうだい達も、辛いのだということを描きたかったそうです。
病気が一時的なもので、すぐ治ればいいけれど、慢性的で、長期の入院を余儀なくされるものや、「死」を迎えてしまう場合もあります。
この絵本では、お兄ちゃんを病気で亡くした妹が、お兄ちゃんと過ごした日々を懐かしく思い出しながら、お兄ちゃんがいない世界へ一歩踏み出そうとするところで終わっています。
お兄ちゃんの「死」の部分が抽象的に描かれていますが、妹の切ない悲しみが、その分強く浮き出ているような気がします。
とても優しい絵本でした。