「優雅に叱責」。
タイトルからして、その語感に引き込まれます。
ストーリーは(もし、ストーリーとするならば)、ユーバートとエンブリーの兄弟がクローケーの槌でお互いをたたき合っていると、そこに自転車が現れ、二人は自転車にのってドンドン進みます、というもの。
道中のエピソードは「なんじゃこりゃ?」な事ばかり。そもそも自転車といってもペダルもチェーンもなく、何となく胡散臭い感じ。
構成も、章に分かれているものの章の番号はとびとびです。
それなのに(それだから、か)、一冊まるごと、何だか引き込まれます。イラストも、可愛いと不気味の中間で美しいのとも違うけれど、ウズウズする感じ。
巻末の略年譜を見ると、ゴーリーさんはブロードウェイの舞台Draculaのセットと衣装デザインでトニー賞を受賞されている。
デザイナーとしても突出されていたんだな、と納得しました。
戯れの一冊。
大人向けかもしれませんが、子どもも、そのまま丸ごと「なんじゃこりゃ」と楽しめるかもしれません。