意味深さと重みと思い入れのこもった作品です。
ある日突然いなくなった父親は投獄されたのです。
話の流れから読み取れば、政治か思想的な罪でしょうか。
父親と少年が二人の合図のようにして繰り返したノックノックゲームは、扉を開けて朝を迎える儀式でした。
これからは自分で自分の扉を開けるんだよ。
牢獄から届いた手紙を大切なものとして、少年は成長します。
実話がベースになったお話です。
ブライアン・コリアーのコラージュが卓逸です。
空に投げた紙飛行機のイメージ、あちこちこちらに父親のイメージ、心象風景が透かしのように重ねられ、具現化された思いが、 父親との心の会話を崇高に表現していると思いました。