ねずみのポヤップと、りすのリーナ。
ふたりは山奥の静かな森の中で、仲良く暮らしています。
ある日、ブランコをこいでいたら、少しずつ勢いがついて、
ちからいっぱいこいでみたら…
あらっ!!!
二匹は、空高くほうりだされてしまいました。
そして、二人は運よく渡り鳥に乗って、美ら島へ。
かおりせんせいもお書きになっていらっしゃるように、
二匹が、沖縄を見た時の表現が、実に見事です。
実際、この島で飛行機に降り立ったことのある方は、そうそう、と同感されるのではないでしょうか?
二匹は、沖縄のあちこちをみてまわります。
首里城で踊り、美味しいものをいただき、海んちゅたちと、ハーリーを楽しみます。
海では魚たちとたわむれ…
本当にこれは、沖縄のガイドブックですね。
でもね、無機的で商業的な本では決してありません。
とにもかくにも美しく、あたたかなかんじのする絵なのです。
これが、本当に沖縄を忠実にあらわしてくれています。
あの青い空!! そうです、あれが本土とは違う、沖縄の夢のような空です。
浄土につながっていそうな…
思わず、胸がキューンとなりました。
もちろん、この本は絵本なので、お話の部分もあります。
イリオモテヤマネコ発見のくだりは私も知りませんでしたので、
なるほど、と思いました。
世知辛い今の世の中、私たちは、こんな思い切った行動に出ることが出来るでしょうか?
沖縄の人たちの、懐の深さが思い知れます。
ただ、ひとーつ、ちょっとひっかかったのは、がじゅまるの木のようせい、キジムナー。
えらい可愛いんですけど。
北欧かどこかからか、遠征なさったような、まるで王子様のような風貌。
思わずえ、と首をかしげる私。
いやいやこれは、過去に出会った、漫画家の水木しげる氏作の「キジムナー」があまりにも印象深かったせいかもしれません。