日本の絵本には、すすきが至る所に登場しますね。お月見のお話などはもちろんのこと、挿絵の隅っこにちょこんと描かれていたり・・・。日本人にとっては、桜や稲と同様、風習や実生活の中に深く根付いているものの1つではないかと思います。そのようなすすきのことを、娘にも伝えたくて、手にとった1冊でしたが、私自身も知らなかったことがいっぱい!そして、単なる知識として学んだことだけでなく、このような目で(すすきに対する愛情をもって)見れば、すすきの一生も、こんなにドラマチックで、壮大なスケールに映るんだな、と新たな感動を得ることができました。春、夏、秋、冬、とそれぞれの季節を生き、再び春が巡ってきても、すすきの「ぼく」は「ふゆのからだのまま」。でも、「ことしのからだ」が芽を出し、「ぼく」の命は受け継がれていく。作者の言葉が自然体で、とてもすてきです。娘も、写真を見ながら、すすきが「ゆうやけいろに そまって、あかくなってるね。」「ほしの ひかりに てらされて、かがやいてるね。」と、子どもの感性のままに、言葉に表しています。