廃止寸前のローカル線の最終列車。はじめは地元の人でいっぱいだった車内も、いつのまにか旅人である「ぼく」ひとりになります。そこへ、ねずみ、いのしし、ちゃぼ、くま、などなど、動物が乗り込んできて次々に身の上話を始めるのです。動物の嘆きでもあり、人間の嘆きでもあるようにも聞こえるたくさんの声と姿。
「ぼく」が経験したのは現実か幻か・・・いやいや、確かに「感じた」事実なのだと思います。ひとりぼっちというのはもともと、案外にぎやかだと思いませんか?
絵だけのページと字だけのページが交互に続きます。ちょっと長いですが、これは意外におもしろい読み聞かせアイテムのような気がします。
岩村さんは、動物の特徴と人間の共通点を見事に融合させる方ですね。