「ほら、またすぐに泣く」小さい頃よく母から言われた言葉です。
友達同士でケンカして泣いて勝とうとすると、相手は、
「泣き虫毛虫はさんですてろ」
という言葉で応戦されたことを思い出します。それを言われて
泣いちゃうのですけどね。
でも、泣くって弱いからとかばかりではなく、感情のコントロールが
できなくて泣いていたのだろうと今になったら思います。
いろんな思いがうまく表現できなくて泣いてしまっていた。
それを思い出しました。
物語は家出をした3匹のぬいぐるみをきっかけにそれを持っていた子が
泣き出してしまうというストーリーです。児童書の導入にぴったりの
絵本だと思いました。
感情のコントロールができなくなったっ子の様子をみることで、
そしてそのなきむしこぞうの様子をみて笑っているネズミを
みることで、ぬいぐるみたちの気持ちはかわっていきます。
その過程がみずみずしく描かれています。
絵も素敵ですね。本には上部に泣き虫こぞうがずっと
描かれています。ちょっとした絵なのですが、
泣きむしこぞうの様子とぬいぐるみたちの様子が
両方手に取るようにわかる。ずっと泣き虫こぞうが
気になるように描かれていました。
子供たちは昔。大切にしていたものを思い出すかも
しれません。またはいま、はしっこに置かれていたおもちゃや
ぬいぐるみ、昔はとっても大事にしていたのになと
思い返すかもしれませんね。
なきむしこぞうであった昔のころを大人は思い出し、
また子供たちは大切にしていたけど忘れてしまった
なにかを追い出すでしょう。
とても素敵な本にめぐりあえました。