ワンダ・ガアグの作品は、昔話のよさをそのままに(昔話特有の残酷さやナンセンスな部分も含め)、耳で聞いて楽しめるお話だなあ、と思います。白黒の挿絵も、もちろんすばらしいのですが、子どもが物語の世界をより自由に想像できるように、絵の構図や文字の配列までこだわり抜いた作品だと感じました。
“Hundreds of cats Thousands of cats Millions and billions and trillions of cats.”
原文のリズム感も耳に心地よく、まだ100くらいまでしか数えられない小さな子でも、「100まんびきのねこ」の多さが実感として伝わってくるようで、娘もこの部分を息を切らすようにして読むのを楽しんでいます。
最後は、昔話の「めでたし、めでたし」で終わり、おじいさんも、おばあさんも、ねこも、みんなにこにこ。そして、「ねこ」を「こども」にかえて、“and not one was as pretty as this one.”と、最後の一文を娘のために言ってあげると、またまた笑顔の輪が広がります!
(編集部注:洋書版「Millions of Cats」に寄せられたレビューです。)