テンポよく楽しく読めると同時に、読み応えがありました。
リアルとは、璃在(りある)くん。スポーツも勉強もできて みんなの人気者で、人の気持ちを十分に思いやることもできるスゴイやつ。そんなリアルと幼なじみの地味キャラのぼく。そして、目立つくらいきれいな顔をして女の子っぽい転校生のサジ。彼ら小学校5年生男子の友情物語です。
三人それぞれの気持ちや個性がすごく伝わってきました。クラスメイトや周りの大人もいい味をだしています。
重いテーマも折り込まれていて、それらはもちろん簡単に解決したり乗り越えられるものではありません。悩みつつ、手探りしながら歩んでいくのが、きっと 人生なのでしょう。
サジの最後の行動力はすごい。リアルのママやパパは頑張ってほしいです。リアルのためにも、自分たちのためにも。そして、題字やしおりひもの濃い青は、意味あるこだわりの色でステキです。第56回講談社児童文学新人賞受賞作品。作者がこれからどんな作品を書いていかれるのか、とっても楽しみです。