数年前、沖縄の慰霊祭の日の読み聞かせにこの本を選びました。
美しい沖縄で家族と楽しく暮らしていた小学生のつるちゃん。
そんな沖縄に「戦争」の足音が近づいてきた。
それを感じたお父さんが庭に防空壕を作り、家族で隠れるが、
ここも危険と感じ、普天間にむかうも、普天間では「ここはいっぱい」と追い出され、中城のお墓に隠れていると、外では爆弾の音。
日本の兵隊のとこに逃げようと、南風原陸軍病院という壕に逃げるが、梅雨時の6月、「球部隊が来るから住民は出ろ」と追い出される。せめて兵隊さんの近くに新たな壕をと思い、壕を出た父ちゃんの上に爆弾が落ちた。つるちゃんの目の前で動かなくなった父ちゃんを、親戚のねーねーと埋めた。ねーねーは「埋めた場所をしっかり覚えなさい」といった。
それからのつるちゃんは逃げた。残った家族や親せきと一緒に逃げた。
一足先に逃げ込んだ母ちゃん、はるねーねー、弟のじん、妹のひでが家に入った途端家が爆発し、いなくなってしまった。残った親戚のおじさん、おばさん、親戚のねーねー、つるちゃんは豚小屋に逃げるもそこにも爆弾が。その際おじさんもおばさんもねーねーもけがをした。けがをした3人とつるちゃんは逃げた。途中顎にウジが湧いたおばさんを おじさんが小さな壕に入れ、隠した。残されたおばさんの「おいていかんで!」の声が怖かったつるちゃん。とうとう南の端っこまで来てしまった。そこでつるちゃんたちはアメリカーの「ほりょ」となり、トラックで北に連れていかれた。その際おじさんは別のトラックに乗せられた。つるちゃんは親戚のねーねーと二人きりになってしまった。親戚のねーねーモけがをしたところからウジが湧き、大切なことをつるちゃんに伝えて死んでいったつるちゃんはとうとう一人になってしまった。
お国の為と言って住民からいろいろ奪っていった兵隊は、
決して住民を守ってくれなかったこと、
それが今の基地問題につながっていること、
美しい沖縄にこんな悲惨な歴史があったこと、
そういうことをこの日に知ってほしいと思って読みました。
こちらが意図するところがどこまで伝わったかは分からないけど、
「戦争は怖い」ということは感じてくれたようです。