ゴンタは、耳の聴こえない子どもたちのいる学校へ転校してきました。
それまでは、普通の小学校へ通っていましたが、少し耳が遠いので、よくけんかばかりしていました。耳の不自由な子どもたちの中でも、少しは音が聴こえるゴンタは、聞こえる耳をもっている人たちが、ちゃんと聴こうとしないということに気づき、涙を流します。
転校してきたゴンタは、なぜか怒った顔。迎えた13人の子どもたちは、ニコニコしています。納得できないゴンタは、この学校に通ううちに少しずつそのわけがわかってきます。
ゴンタの気持ちを通して、改めて、教育のあるべき姿、また、子どもたちと向き合う時に忘れてはいけない心などに気づくことができます。
作者の土田義晴さんが、実際に聾学校を訪れ、描かれた絵本です。
『聾学校』てどんなところだろうと、知ることもできます。
音のない世界は、想像もつかない世界、でも、その世界で、健気に明るく生きている子どもたちがいることを忘れてはいけないと思いました。
そして、聞こえる耳を持っていながら、心から聴いていない大人がいることは、残念なこと。
優しい心と、心を込めて耳を傾けることが大切だと思います。