夜の牧場、人間も動物たちもみんな眠りにつく頃、ねこにとっては、一番楽しい時間、牧場を抜け出し探検に出かけているなんて、誰も知りません。読者だけが、ねこと一緒に、ねこの目を通して夜の世界にどっぷり浸れるステキな絵本です。
ねこは、暗い闇の中を、森を抜け、道路を渡り、仲間たちのいる町までどんどん進んでいくのですが、それが最初は影絵で、その次には猫の目を通して見える世界が、色鮮やかに描かれています。それがとても美しく、どれも一枚の絵として飾っておきたいくらいです。
お話自体は淡々としているのですが、息子は食い入るように見入っていました。