囲炉裏がある。柱時計がある。電気はなさそうだ。太郎は本を読んでいるぞ。一体、いつ頃の話なのだろう。そう思いながら読み進めました。
8才の息子は、猟銃を持った大人たちが熊を追って、太郎の家にやってきた時「嘘をつかなきゃ(逃がさなきゃ)」と力が入っていました。無意味に、血を流す事も無いと感じたのでしょうか。
熊が子どもを連れて、頭を下げて去っていくところでは「あの時(逃がしてあげた時)のありがとうを言いに来たのかな」と思ったようです。
子どもなのに妙に冷静な太郎と人間的な熊の親子の淡々と進んでいく物語です。最後まで、熊とのことはとうちゃんにも内緒でした。
昨今、熊が人里に出没することが多く、こんな風に助けてあげられたらなぁ、餌が豊富にあるといいなぁと考えさせられる絵本でした。