イギリスの中世の吟遊詩人が伝えたお話ということ、物語の源がギリシャ神話にあるということ、すべてにおいて無知なまま読み進めていきましたが、その分、お話全体が新鮮なものとしてとらえられたと思います。
どこかちがう世界に入り込んでしまったかのような場面設定に、奇妙なわくわく感をもってしまいます。エロール・ル・カインのケルトの文様を取り入れた絵があまりに神秘的で、心ひかれてしまいました。
外国の古典をひもとくような本の出会いもいいものですね。一つのお話に悲しみと喜びが描かれ、起伏ある人生の流れを感じた一冊でした。