メキシコの昔話だそうです。ウサギが「大きくなりたい」と神様に頼むと、神様はトラとワニとサルの皮を持って来い、と命じます。うさぎは、策略を使って(とても思いつくのが早いです。頭が鋭いのですね)3匹を殺します。「かちかちやま」でも、古いバージョンはタヌキがおばあさんを殴り殺しますが、この絵本でも、いきなりウサギが棒でトラを殴り殺してしまうので、読むほうはギョッとします。平然とそんなことしていいの!?連続殺人犯じゃない? でも、考えれば、昔は生きるのが厳しい世界だったのでしょうね。死が今より身近にあったのかもしれません。敵を殺して皮をはぐなんてことが本当にあったのかも。私は、この本が教育に悪いとは思いません。テレビ漫画で見る死より、文字数少ない絵本で淡々と語られる死のほうが、胸にずしっときます。子供は何も言いませんが、何か受け止めてくれていると思います。