表紙のアジサイの色彩に惹かれました。
蚕の成長とともに、各月の色を古来の美しい言葉で綴ってあります。
1月は雪景色の真綿色。
蚕の繭玉から取るのが、真綿、要は絹の繊維なんですね。
室町時代に木綿(コットン)が流通するまでは、綿=絹だったようですね。
なるほど、真綿色に光沢を感じますね。
若菜、すみれ、藤、若竹、瑠璃、藍、朱鷺、黄金、紅、金、白銀。
いずれも、筆者の生まれ故郷、新潟の光景だそう。
そして、あとがきに込められたもう一つの思い。
繭玉のような無垢な心で生まれた子どもたちへ、生命の尊厳を学んでほしい、ということですね。
そう、添えられた蚕の成長が、命を感じさせてくれます。
小学生くらいから、豊かな色の世界を体感してほしいです。