原作は、中島敦の短編、名人伝。
朗読の勉強で、山月記を求めた時に、一緒に文庫本に所収されていたのがこの作品。
題名は忘れていたのですが、
この絵本の紹介文で、弓、紀昌という文字を見て、
瞬く間にあらすじを思い出した、強烈な印象の物語です。
小林豊さんの抄訳になりますが、
原作の印象を丁寧に掬い取った重厚な作品となっています。
弓の名人、紀昌のエピソードが語られます。
紀昌は、弓の修行のため、達人を訪ね、そこで修業を積むのですね。
その方法は、シンプルですが、凄まじいです。
その師とも対峙し、さらに高師を求め、そこで授かった技が超越しています。
まさに凡人には理解不能、でしょうか。
それでも、道を究めることの奥義をぶつけられた思いです。
小学校高学年くらいから、じっくり向かい合ってほしいです。