だれしもが、じぶんの親の親の親の親の・・・・・・とたどっていくと、遙か遠い昔の生きものにたどり着く。と、頭でわかっていても、想像するのはなかなか難しい。けれど、この絵本はその手助けをしてくれる。
今、我々が持っているからだの特徴の一つは、海にいる、より強いものたちから逃げているうちに備わったものかもしれない。今、我々が使っている特技の一つは、陸にいる、より強いものたちから逃げているうちに会得したものかもしれない。
この絵本の中で、カエルたちは少しずつ少しずつ、からだの特徴を変え、特技を身に付け、食うか食われるかの世界を生きのび続けてきた。進化の過程の描写には創作が入っている、とあとがきに書かれてはいるものの、ピンチがわしらをつよくしてくれる、というひと言は、あらゆる生きものに通ずる言葉である。
我々の祖先たちはいったいどんなピンチをくぐり抜けてきたんだろう。読者の想像力のスイッチが入る一冊。